1. TOP
  2. コラム
  3. 【導入レポート】金の峯幼稚園「“終わり”が見えると、時間が身近になる」

【導入レポート】金の峯幼稚園「“終わり”が見えると、時間が身近になる」

Column

記事公開日 :  2026/09/09

 / 

最終更新日 : 2026/09/10

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【導入レポート】金の峯幼稚園「“終わり”が見えると、時間が身近になる」

今回、「トキを育むプロジェクト」のモニターに参加いただいたのは、中野区の金の峯幼稚園の子どもたちです。

約1か月にわたり、デジタルタイマー「ベンガ君BIG」、アナログタイマー「計ってよーめる」、知育掛け時計「よ~める」を、日々の園生活の中で使っていただきました。

今回の取り組みで見えてきたのは、園児たちがすぐに「時間」を理解できるようになった、ということではありません。

先生が感じたのは、時間を目で確認できるものが手元にあることで、園児と時間との距離感が近くなり、「終わり時間」を意識しやすくなったという変化でした。

これまでは、壁の時計を指して伝えていた

金の峯幼稚園では、導入前から時間に関する大きな課題を抱えていたわけではありません。

普段から先生は、壁に掛けてある時計を指さし、

「針が〇〇の場所にきたら」

といった声かけをして、子どもたちに時間を伝えていました。

今回のモニター導入では、そこに2種類のタイマーが加わりました。

壁にある時計とは違い、タイマーは子どもたちの手元に置くことができます。先生はこの変化について、「タイマーが手元にあり距離感が近くなったので、『終わり時間』に対して、より意識は上がっている」と振り返っています。

つまり、時間を示すものが子どもたちの身近に置かれたことで、園児と時間との距離感も近くなったと先生は感じているようです。

「赤い帯」が分かりやすい子、「ゼロ」が分かりやすい子

今回、デジタルタイマーとアナログタイマーは、並べて一緒に使われました。

そこで先生が気づいたのが、子どもによって分かりやすい「時間の見え方」が違うということでした。

先生からは、こんな声が寄せられています。

「赤い帯がなくなったら終わりだよと声掛けで理解する子もいれば、デジタルがゼロになった方が分かりやすい子もいる」

アナログタイマーは、お弁当の終わり時間や片付けの時間にも活用。「終わりがハッキリ分かる」ことが、子どもたちに意識させやすかったといいます。

「時間」を伝える方法は、一つでなくてもいいのかもしれません。

赤い帯がだんだん減っていく方が捉えやすい子もいれば、数字が「0」になる方が理解しやすい子もいる。今回2種類のタイマーを使ったことで、そんな一人ひとりの違いも見えてきました。

「時間を理解する」のは、まだ難しい

一方で、今回の取り組みですべてが大きく変わったわけではありません。

タイマーなどの導入によって、同じ指示を繰り返す回数やスタッフの心理的な負担が減ったかという質問に対して、回答は「どちらともいえない」でした。

先生からも、

「特に変わりはない。前述に回答の通り距離感が近くなった効果はあるが、園児に時間概念はまだ難しい」

という率直な声が寄せられています。

ここから見えてくるのは、「終わりを意識できること」と「時間という概念を理解すること」は、必ずしも同じではないということです。

今回確認できたのは、園児が時間管理をできるようになった、といった変化ではありません。

それでも、手元で「赤い帯がなくなる」「数字がゼロになる」といった変化を見ることが、「もうすぐ終わり」「ここまでが時間」と意識するきっかけになった可能性があります。

実際に使ったから分かった、時計の見え方

今回のモニターでは、道具の使いやすさについても率直な意見をいただきました。

デジタルタイマーとアナログタイマーについて、操作や導入のしやすさはともに「はい」という回答でした。

一方、知育掛け時計については「どちらともいえない」という評価に。

壁に掛けた状態では、外側にある細かな「分」の数字が見えづらいことや、青い時針が遠目では黒っぽく見えるため、「明るい針のほうが説明しやすい」という意見がありました。

子どもたちに時間を伝えるためには、時計に情報が書かれているだけではなく、実際に子どもがいる位置からどう見えるかも大切であることが分かります。

幼児期の「時間」は、“終わり”を見えるようにするところから

今回、先生自身が「園児に時間概念はまだ難しい」と感じていることも、大切な結果の一つです。

だからこそ、最初から「何時何分」を理解することだけを目指すのではなく、まずは時間を目で見えるようにする。

「赤い帯がなくなったら終わり」

「数字がゼロになったら終わり」

そんな分かりやすい目印を通して、「終わり」を意識することが、時間を身近に感じる一つの入口になるのかもしれません。

そして、赤い帯が分かりやすい子もいれば、数字の方が分かりやすい子もいます。

子どもに合わせて時間の見せ方を変えてみることも、時間との付き合い方を育んでいくうえで大切な視点になりそうです。

時間との距離を、少しずつ近づける

約1か月の取り組みを終え、先生からは、

「用具を活用すると園児の動きにつながりやすくなるのでお薦めします」

という声もいただきました。

今回のモニターで見えてきたのは、大きな行動の変化ではなく、園児と時間との距離感が少し近くなったことでした。

時間を目で見る。

「終わり」を意識してみる。

自分にとって分かりやすい方法で、時間に触れてみる。

こうした小さな経験を重ねていくことも、子どもたちがこれから時間と付き合っていくための一歩になるのではないでしょうか。


【取材協力:金の峯幼稚園

https://kinnomine.com/

金の峯幼稚園は、中野区で幼児教育の理想郷たることを目的に、50年近い伝統と、優秀な教諭陣により園児教育が受け継がれています。仏教の教えに基づき、充実した環境の中で基本的生活習慣を身につけ、心身の健全な育成を目標とします。

導入アイテム: